10秒の壁をぶっ壊す!ケンブリッジ飛鳥プロが日本陸上100mの常識を変えるためにマインドコーチングの観点からやるべき2つのこと
2016年12月14日に陸上競技のケンブリッジ飛鳥選手がプロに転向しました。
本人からしたら人生をかけた勝負だと思います。すごい決断力!
為末大氏「望ましい」ケンブリッジのプロ転向を評価(日刊スポーツ)の記事をネットで読んだ時に、ぼくもプロになるべきだしどんどん挑戦したほうがいいと思いました。
なぜならプロに転向するというのは、マインドコーチングの観点から見ても
メリットしかないからです!
というわけで、マインドコーチングの観点から
ケンブリッジプロのパフォーマンスをさらに向上されるために必要な
絶対に持つべきセルフイメージ(自分がどの程度の選手なのかというイメージ)
と
ゴール(目標)設定
について書いていきます。
【プロとアマチュアの明確な違い】
ほぼすべての陸上選手は、アマチュアです。
なぜならプロみたいに成績が出なくても
所属している企業から毎月の給料が保証されているからです。
ですが、プロはちがいます。
収入も今後のキャリアも、全て自分の足と試合結果にかかっています。
収入は主に、試合の賞金と、スポンサーからの出資です。
プロは企業の雇用じゃなくて、自らスポンサーを募って出資をしてもらい、試合やそのほかの活躍でそれに見合った対価を出すことを要求されます。
企業が求めている対価とは、目立つことです。
スプリンターにとっては目立つとは、試合で優勝することであり、世界で活躍することです。
ケンブリッジ飛鳥が活躍することで、自然とスポンサーの名前も売れます。そうなると企業に利益として還元されます。
つまり、ケンブリッジ飛鳥という広告媒体というわけです。
なので、プロになった以上勝つことが前提条件となります。
逆に言えば、勝つことを諦めてプロはプロとして死んだとも言えます。
アマチュアとプロの明確な違いがここにあります。
すべては競技結果で決まり、成績を出せなければスポンサーになってもらえません。
そうなるとアマチュア時代とはステージが全く異なる為、陸上競技に対しての信念も変わってきます。
同じくらいのレベルの選手が一緒の試合に出たとして
「試合で優勝したいです」という選手と
「試合で勝つのは当たり前です」という選手だったら
どっちが勝負に強いでしょうか?
間違いなく後者ですよね。
僕たちは脳の仕組み上
自分が確信しているセルフ・イメージ(自分はこれくらいのタイムで走る選手だというイメージ)以上のパフォーマンスを発揮することが出来ません。
プロになると試合で勝つことが前提条件になるので信念そのものが変わり、セルフイメージが自ずと高くなることで、パフォーマンスがさらに上がるようになります。
【10秒の壁という幻想をぶっ壊すことになる】
日本人は10秒の壁があるって言われますが
ぼくたち日本人が「100mで9秒台を出すことは難しい」と思い込んでいるから壁が出来るのであって
本来は壁なんて存在しません。
「9秒台なんて無理だ」というセルフ・イメージが伊東浩司選手が10秒00で走って以降、強く刷り込まれているように感じます。
これについてはメディアが煽って選手に悪いイメージを埋め込んだ事も関係してますが、それについては今回書きません。
ですが、100mで11秒を切れない選手が12秒の壁があると思い込んでいるように、10秒の壁も単にイメージとして存在しているだけです。
実際に中国人スプリンターが9秒99で走ってるから、隣の国の日本人が出せないはずはありません。
それと2016年のリオオリンピックで400mリレーが37秒60の2位になりましたが、リレーのタイムから見ても9秒台で走れてないと出ないタイムです。
バトンパスもタイム向上に影響を与えてますが、そもそも前提として走力がなければ、どんなにバトンパスが上手くても意味がありません。
なのでぼくは、日本短距離界のトップは、すでに9秒台で走る力は十分持っていると思っています。
だけど記録を出すことが出来ない原因は
技術と身体の強化を意識しすぎて、心(マインド)の使い方を疎かにしているから
と思っています。
最初にも書きましたが、僕たちは自分が思っているセルフ・イメージ以上のパフォーマンスを発揮することが出来ません。
そしてプロになる以上、日本の試合はもちろんのこと、世界大会でも優勝を求められます。
そういう意味でも、プロに転向することで自然とセルフ・イメージが上がる為、「9秒台という幻想の壁」をぶっ壊すことになるわけです。
なぜなら、最低でも9秒99以下のタイムを出さなければ
世界大会で決勝には残れないし、ダイアモンドリーグでは優勝は出来ないからです。
これからの時代、世界レベルの試合で優勝しようと思ったら9秒7以下は必要です。
なのでプロに転向することで信念が変わり
「オレは世界大会でも活躍するから、9秒台で走って当たり前の選手なんだ」
というセルフ・イメージが構築されるため
今まで高く感じていた9秒台の壁がなくなるはずです。
なんども書きますが、ぼくたちがどのくらいのパフォーマンスを発揮できるかはセルフイメージで決まります。
そして高いセルフイメージをどんな時でも保ち続けなければいけません。
【タイムや順位を目標にするんじゃなくて、自分が活躍することでどんな価値を社会に提供できるのかにフォーカスする】
プロになるということは、周りに対して影響力が増える事になります。
そして試合などで活躍して成し遂げる事がデカければデカいほど、いろんな人に価値を提供できるようになります。
ということは、9秒台というタイムを目標にするのではなく
100mスプリンターのプロとして
どんな価値を社会に提供したいのか
という部分をゴールにしたほうがいいというわけです。
コーチング用語でゴールとは夢や目標と言ったり、理想といったりします。
ニュアンス的に目標よりもゴールと言ったほうがより多くの物事を含んでいるので
この記事ではゴールで統一します。
ゴールは大きければ大きいほどいいです。
なぜなら僕たちはゴールのデカさでセルフイメージが決まり、行動するためのエネルギーが湧くからです。
イメージとしては上の図のような感じです。ゴールと現状の自分が離れていればいるほど、モチベーションとなり行動を促してくれます。
モチベーションについては詳しくは下のリンクにまとめてあるので参考にしてもらうとして
ここで言いたいのは、ゴール設定をすることでパフォーマンスを発揮することが出来るということです。
価値を提供したい社会が日本なのか世界なのかは本人次第ですが
どちらにせよ社会にインパクトのある価値を提供できれば出来るほど陸上競技の地位も上がります。
そして注目されれば、よりたくさんの子どもや観客に夢と希望を与えることが出来ます。
そうなると企業としては影響力がある人とみなすので、桁違いの額を出資してくれるようになります。
クリスティアーノ・ロナウドの年収が桁違いなのも、それだけ社会に与えるインパクトがデカいからです。
というわけでケンブリッジ飛鳥選手がゴールとして考えるべきなのは
タイムではなく社会にどんな価値を提供したいのか
という部分です。
たとえば
陸上競技を日本のマイナー競技からメジャー競技にするでもいいだろうし
世界での日本のスプリント種目の地位を向上させるでもいいですが
9秒台というタイムにとらわれない目標を設定するべきです。
本人がゴールに対してやりたい(Want to)と思っているのが前提ですが
正しくゴール設定が出来ると、ケンブリッジ選手自身の中で
「日本のメジャー競技になるくらいだから、ウサインボルトの記録を抜いて9秒4くらいで走っているかもしれない」
という感じで
ゴールを達成した自分が試合で出すべきするタイムも自然と上がってくることになります。
長い間日本の陸上界を縛ってきた「9秒の壁」を
やすやすと超えるようなセルフイメージを持つことが出来るようになるわけです。
※ゴール設定についての詳細は下のリンクを参考にしてみてください。
【タイムや試合結果は目標ではなく、エフィカシー】
実際にタイムや順位は目標として扱われますが
脳科学を駆使したマインドコーチングの観点からすると
目標というよりはエフィカシーに分類されます。
エフィカシーとは自分が達成したい目標に対する自己能力の自己評価のことです。
例えば
「日本スポーツ界で100m走をメジャー競技にするという目標を達成していたら、9秒4くらい出してないと自分らしくないよね」
って自分を評価するようになります。
そうなると9秒4がゴールを達成した自分にとってのエフィカシーといえます。
ちなみに水泳競技のマイケル・フェルプス選手のゴールはオリンピック優勝や世界記録ではなく
アメリカで水泳をメジャー競技にする
です。
アメリカで水泳をメジャー競技にするためには、単に金メダルを取っただけではだめです。
アメリカはメダリスト大国なので、金メダルを取っただけでは水泳がメジャーになることはありません。
そうなると
誰も達成できないような、記憶にのこるような活躍をすることが必要になります。
そのためフェルプス選手の中では
水泳をメジャーにするためには異次元の活躍をしていて当然だ
というエフィカシーをもつようになり、28個のメダルをとる活躍をすることが出来るようになりました。
ウサイン・ボルトも本当に達成したいゴールは
金メダルや世界記録ではなく「伝説になる」です。
おそらく伝説になることでジャマイカの地位を上げようという想いもあると思いますが
とてつもなく高いゴールを設定したからこそ
「伝説になる為には誰にも負けないよね」って自分を評価するようになり
たとえオリンピックや世界選手権前に調子がわるくても優勝することが出来たわけです。
なのでケンブリッジ選手もタイムや順位を目標にするのではなく
自分が走って活躍することで、どんなことを成し遂げたいのか
という部分をゴールにするように考え方を変えるべきであり
高いゴールとセルフ・イメージを持ち続けることで、プロとして圧倒的な成果を出せるようなり
先駆者として日本の陸上界を根本から変える事になることは間違いありません。
<まとめ>
プロは勝つことが前提なので自ずとセルフイメージが上がる
セルフイメージ以上のパフォーマンスを発揮することは出来ない
ゴールはタイムや順位ではなく、どんな価値を社会に提供するのか
ゴールが高くなれば、自ずと自分に対しての評価も上がり、出すべきタイムも順位も上がる
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